極端化する気象現象が森林土壌の水分環境に与える影響を定量評価するため,土壌水分センサーによる連続観測の重要性が高まっている.しかし,センサー出力は温度などに影響されるため,適切な較正が課題である.本研究では,森林で採取した火山灰性の褐色森林土を対象に静電容量式土壌水分センサー(10HS)の温度依存性を構造方程式モデリングにより検討した.さらに,温度依存性に対してセンサー埋設地点および深度における土壌特性の差異がどのように影響するか個別に較正を行い,連続観測に適用した.その結果,温度依存性は統計的に有意でなく,水分量の推定に大きな影響を与えない可能性が高かった.一方,乾燥密度と全炭素量は統計的に有意な負の相関が認められたが,その説明力はそれぞれ0.5%と1.4%であり,推定精度への影響は小さかった.個別較正のRMSEは平均0.04 m3 m-3であり,個別較正を行わない場合の0.12 m3 m-3から約67%精度が向上した.以上より,対象とした土壌では,土壌水分センサー10HSの温度や,空間的な土壌特性(乾燥密度や全炭素量)の差異は実用上考慮しなくても良いことが定量的に明らかになった.
Sekiguchi et al. (Thu,) studied this question.