日本では海外から心理的トラウマ療法の理論や実践のためのトレーニングが多く輸入されている。それらは普及されて、心理的トラウマやPTSDという専門家の用語は、珍しい言葉ではない。それらの理論や実践方法を効果的に活用するために、輸入先では文化や習慣、宗教的背景、歴史の違いを十分に検討した上で公開する必要がある。検討が十分ではない場合はWatters, E. (2009)が“Crazy Like Us“において指摘しているように文化や習慣を押し付ける形となり、それらはいつしか専門家の暗黙の特権となる。特権は抑圧の構造があることを心理的トラウマを扱う専門家は十分に把握する必要がある。特権と抑圧の構造は、ハラスメントの構造とよく似ている。暗黙の抑圧を回避するために、関係知という視点を提案したい。関係知とは、トラウマを経験した当事者の経験や言葉、生きてきた歴史である。それらを重視する視点は、特権と抑圧の構造を回避し、安全なトラウマ心理療法の実践に貢献するだろう。“Crazy Like Us“に記されている特権と抑圧の構造から専門家が関係知の視点を体得する方法を講義する。
Yumiko Nakama (Wed,) studied this question.