左または右視野に視線刺激または矢印刺激を呈示する空間ストループ課題では,矢印刺激では一致条件のほうが不一致条件よりも成績が高い(空間適合性効果)のに対し,視線刺激では逆の効果が報告されている(Marotta et al., 2018).Tanaka et al. (2024, 2025)は,ターゲット刺激の背景からの分離と,その後の位置情報の抑制という二つの段階から成る「2段階仮説」により,この逆空間適合性効果を説明できると提案している.本研究ではこの仮説の一般性を検証するため,写真による視線刺激と矢印刺激を用い,ターゲット呈示位置を3段階で操作した.結果として,刺激の種類にかかわらず,反応時間の延長に伴い空間適合性効果は減少,消失し,さらに逆空間適合性効果が出現する線形的変化を示した.さらに,反応時間がより長くなると逆空間適合性効果は減少し,非線形的なパターンが確認された.これらの結果は,2段階仮説が刺激の社会的・生物学的特性に依存せずに空間適合性効果を説明し得ることを示し,その一般性と理論的妥当性を支持するものであった.
Asai et al. (Thu,) studied this question.