ヴィクトリア朝退廃運動の中心的人物―オーブリー・ヴィンセント・ビアズリー(1872-1898)とハーバート・チャールズ・ポリット(1871-1942)―は、自身の作品やパフォーマンスの中で着物を用いた。ビアズリーは自身の挿絵に日本の着物がもつ可変的で流動的な特質を取り入れ、日本の衣服を「女性的」と見なすヴィクトリア朝の通念を覆し、その前提の脆さを観者に示していた。一方ポリットは、自身の異性装パフォーマンスの一環として着物を実際に着用し、着物に待ち受ける変身=パフォーマンスを暗示する役割を与えていた。本稿は、ビアズリーとポリットがいかに着物を用いてヴィクトリア朝イギリスのジェンダー規範や慣習を攪乱したかを検討することによって、この衣服のデカダン的かつ革新的な可能性を探る。これら二つの事例は、着物が単純に女性性の象徴であるというステレオタイプが決して絶対的なものではなかったことを示している点において、世紀末イギリスの着物趣味を理解するうえで不可欠である。ビアズリーとポリットは、着物を通して身体と衣服の新たな関係を探究し、そのより流動的で、曖昧で、多様な性質を明らかにしたのである。
Arisa Yamaguchi (Sat,) studied this question.
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