症例は繰り返す心窩部痛が主訴の48歳の女性で,特記すべき既往や家族歴はなかった.上部消化管内視鏡検査では十二指腸下降脚に粘膜面の浮腫性変化を認めたが,主乳頭を含めて特異的所見に乏しく,十二指腸粘膜の病理組織検査でも軽度の炎症細胞浸潤のみでIgG4陽性細胞の浸潤は認めなかった.造影CTで膵頭部の腫大と囊胞形成,膵頭部周囲の脂肪織濃度の上昇を認めた.膵頭部腫大病変に対しEUS-FNAを行ったが,軽度の線維化のみでIgG4陽性形質細胞の浸潤は認めなかった.血液生化学検査においてもIgG4値は正常範囲内であった.治療抵抗性の慢性膵炎と診断し亜全胃温存膵頭十二指腸切除を施行した.病理組織学的所見では十二指腸粘膜下層以深に中等度以上の炎症を伴い,storiform fibrosisとIgG4陽性形質細胞の浸潤を認めた.膵実質には炎症性変化を認めなかった.IgG4関連疾患群では十二指腸を含めた小腸病変の報告は少ない.本疾患の臨床病理学的特徴を精察し報告する.
Okada et al. (Fri,) studied this question.