近年, 家庭で実施可能な簡便な聴力評価としてヒアラブルデバイスの応用が進みつつあるものの, その測定精度は十分に検証されていない. 本研究では, AirPods Pro2 に搭載されたヒアリングチェックの臨床的有用性を検討するため, ボランティア140例を対象に純音聴力検査との比較を行った. 周波数別の比較では 250, 500, 1k, 2k, 6kHz に統計学的な有意差を認め, 特に低音域では閾値差が ±5dB 以内に収まった割合が 250Hz で14%, 500Hz で36%と低値であり, デバイス閾値が低く測定される臨床的にも無視できない乖離が見られた. 20dB 以上の左右差を有する感音難聴50例における解析では, 1kHz で左右差 75dB 以上, 2kHz で 65dB 以上の症例に異常低値が出現し, 交叉聴取の関与が示唆されたが, 本デバイスの測定上限である気導閾値 85dB 以下に限定すると左右差による偏りは認めなかった. 操作性においては多くの被検者が容易と感じたが, 高齢者では操作困難例が多く, 32例で補助を要した. 以上より, ヒアリングチェックは簡便な測定手段として一定の有用性を有する一方, 低音域の誤差や交叉聴取の影響については注意が必要である. 自覚症状のある場合には従来の聴力検査が不可欠であり, 本デバイスは補助的手段としての利用が適切と考えられた.
Sasaki et al. (Wed,) studied this question.
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