当院では2018年より, 下極型や多発型, 深頸部間隙への炎症進展を伴う重症扁周囲膿瘍に対し, 治療選択肢として即時的膿瘍扁桃摘出術 (膿瘍扁摘) を導入している. 今回, 75歳以上の後期高齢者における扁桃周囲膿瘍の臨床像, 治療上の課題および膿瘍扁摘の有用性について検討した. 2014~2024年に入院加療を行った417例中, 75歳以上はのべ45例 (10.8%) で, 男性22例, 女性23例, 年齢 (平均±sd) 79.8±4.5歳であった. 併存症は39例 (86.7%), 抗凝固剤内服は12例 (26.7%), 独居は13例 (28.8%) に認められた. 11例 (24.4%) で気管切開を要したが, 全例で退院前に気管カニューレは抜去可能で, 自宅退院が可能であった. 膿瘍扁摘導入後は膿瘍扁摘例 (A群) 15例, 局所麻酔下切開例 (B群) 8例であり, 導入前は全身麻酔下切開 (C群) 5例, 局所麻酔下切開 (D群) 17例であった. 全身麻酔下手術を要した膿瘍扁摘導入前後であるc群と比較しa群では, 気管切開併施, カルバペネム系抗菌薬 (メロペネム: Mepm) および免疫グロブリン投与がいずれも有意に少なく, 有意差はないが入院期間が短い傾向にあった. 膿瘍扁摘導入前後であるa+b群とc+d群を比較した場合膿瘍扁摘導入後のa+b群は Mepm の使用が有意に少なかった. 病態評価, 併存症把握と全身・周術期管理は必要だが, 後期高齢者における重症例に対し膿瘍扁摘は有用で, 治療選択肢となり得ると示唆された.
Tsukada et al. (Wed,) studied this question.