食品や材料に含まれる香気・異臭成分は製品の品質や安全性に大きく影響するが,微量かつ類似した保持時間・質量スペクトルを持つため,従来のGC/MS分析では同定が困難であった.本報では,キャピラリ・フロー・テクノロジー(Capillary Flow Technology; CFT)を用いたGC/MS分析により,食品(缶コーヒー)及び材料(塗料)中の香気・異臭成分の同定精度向上を試みた.固相マイクロ抽出(Solid-Phase Microextraction; SPME)とCFTによる複数カラム・複数検出器の同時接続により,保持時間,質量スペクトル,元素情報を統合的に取得した.缶コーヒーでは,ピラジン類やチアゾール類のクロスチェックにより,標準品なしでも確度の高い同定結果を得ることができた.塗料では,正常品と異臭品の比較によりスルフィド類やインドールなどの異臭原因物質を特定し,官能試験結果との相関が得られた.本手法は,共溶出や微量成分の検出といった従来法の課題を克服し,食品及び工業分野における微量で多成分の化合物スクリーニングに有用であることを示した.
Anegawa et al. (Thu,) studied this question.