宮城県の酒蔵の一つにおいて異なる2種の原料米(ササニシキ(s)及び蔵の華(k))を出発点として醪の発酵工程で発光物質がどのように出現し,変化するのかを励起蛍光マトリクス(eem)を測定して検討した.eemにおいて6つの蛍光ピーク(a~f)が測定され,標準物質との比較により各成分の化学成分を検討した.またeemデータを,主成分分析法(pca)により解析を行った.主成分のスコアプロット上で醪の発酵工程の経過日数により分離される傾向があることが確認できた.またローディングにより第一主成分は蛍光ピーク成分のa, B, Cの蛍光を,第二主成分は蛍光ピーク成分のa, B, C, D, Eの蛍光を反映していると考えられた.また多次元尺度構成法(mds)を用いてeemスペクトルの経時変化の解析を行い,sとkともに似た軌跡をとって経過日数とともに移動することが明らかになった.また布置空間において日本酒物性値との重回帰分析を行い,酸度,日本酒度はxi軸との相関が明らかになった.本研究により,非破壊で前処理がいらない簡易分析方法であるeemの測定は,多くの成分を含み各々が関連しながら変化する複雑な日本酒製造の管理の一つの方法として利用できる可能性が示された.
Maruo et al. (Thu,) studied this question.