症例は55歳の男性で,便潜血陽性を契機に前医でS状結腸腫瘍を指摘され当科紹介となった.膀胱浸潤を伴うS状結腸癌を認め,同時にCTで肝S6に10 mmの造影効果の乏しい淡く低吸収な腫瘤を認めた.EOB-MRIではT1強調像で低信号,T2強調像で等信号,動脈相から平衡相にかけてリング状増強効果を伴っており肝細胞相では低信号であった.同時性肝転移を伴うS状結腸癌の術前診断で,原発巣切除後に2期的に肝切除術を施行した.病理組織学的には好酸性構造物を中心に類上皮肉芽腫を形成しており構造物内部には寄生虫を疑う管腔構造を認め,遺伝子検査で肝アニサキス症と診断した.肝アニサキス症は腸管を穿破したアニサキス幼虫が肝内に迷入し好酸球性肉芽腫を形成するまれな疾患で,悪性腫瘍と画像上酷似し術前診断が困難であるとされる.今回,S状結腸癌同時性肝転移との鑑別が困難であった肝アニサキス症の1例を経験したので報告する.
Ando et al. (Sun,) studied this question.