ラマン分光法は,光と分子との相互作用による光エネルギーの変化を検出して,分析対象内の分子組成や分子構造情報を,非破壊,かつリアルタイムに分析することができる.著者は近年,生殖補助医療における卵質評価に,ラマン分光法の応用可能性を探る研究を展開してきた.生殖補助医療において,“卵子の健常性(卵質)”は極めて重要な鍵となり,分子科学的情報に基づいた,新たな非侵襲的卵質評価手法の開発が求められている.本稿では,ラマン分光法を活用したマウス卵子成熟過程のモニタリングと,ヒト胚培養液の分析研究を紹介する.ラマン分光法により,卵子,及び胚培養液の両面から卵質評価にアプローチできれば,生殖補助医療における新たな卵質評価手法を提示できると期待される.
Mika Ishigaki (Mon,) studied this question.