要旨 【背景】 ヒト胎盤由来製剤(以下,プラセンタ)によるスティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)の稀な1例を経験した。 【症例】 50歳の女性。感冒症状で近医を受診し,ラスクフロキサシン,アセトアミノフェンの処方と更年期障害の症状に対してプラセンタの皮下注射を施行された。点滴後4日目に口唇を猫に引っかかれ,体幹部に皮疹が出現し,同日に近医を受診した。猫ひっかき病の疑いでミノサイクリンを処方された。プラセンタ投与後7日目に発熱と皮疹の増悪があり,前医に救急搬送された。入院後,セフトリアキソン,アジスロマイシン,ゲンタマイシンによる治療が開始された。入院後に粘膜疹が出現し,SJSを疑われ,プラセンタ投与後9日目に当院へ転院搬送された。発熱,粘膜疹,全身の紅斑,炎症反応高値があった。尿検査,胸腹部単純CT検査で一般的な感染症を疑う明らかな所見はなかった。SJSが疑われ,メチルプレドニゾロン1.5mg/kg/日の投与を開始した。ステロイド投与開始後,皮疹は改善した。身体所見と皮膚生検の結果からSJSの診断となり,薬剤誘発性リンパ球刺激試験の結果からプラセンタが原因薬剤と判断した。入院16日目に皮膚科へ転科となり,入院41日目に自宅退院となった。 【結語】 我々の調査範囲ではプラセンタによるSJSの報告は過去になく,汎用されている本製剤もSJSの被疑薬として鑑別に挙げることが肝要である。
大悟 et al. (Sun,) studied this question.