血液事業では献血前にヘモグロビン(Hb)値を測定するが,Hb値が低下する前に潜在性鉄欠乏を把握できれば,献血者のHb低値による不採血を防止できる.網赤血球ヘモグロビン等量(RET-He)は,網赤血球のヘモグロビン量を反映し,直近2日程度の鉄利用を示すとともに,鉄補充にも速やかに反応する鋭敏な鉄指標である.我々は,1年以内に全血献血歴のない成分献血希望者523名を対象に,献血会場の血球分析装置で測定可能な新たな鉄指標であるRET-Heの有用性を検討した.RET-Heは鉄欠乏の進行に伴い有意に低下した.RET-Heの血清フェリチン(sFer)<12ng/mlの検出能はAUC0.85,カットオフ値31.6pg,感度71.6%,特異度86.5%と良好であった.RET-He≦31.6pgは,Hbは採血基準内だがsFer<12ng/mlの献血者の67.3%を検出できた.男性ではRET-He値により献血回数に有意差を認めたが,女性では献血回数に差は無く,月経など献血以外の要因による鉄欠乏が示唆された.RET-Heは献血会場で測定可能なため,頻回成分献血者や女性献血者の鉄欠乏防止対策に有用と思われる.
Iwasaki et al. (Wed,) studied this question.