本研究は,若手教員を主たる対象として,生成aiをメンターとしたalactモデルによる授業リフレクションの効果と課題を検討した。対象は若手教員1名と中堅教員1名とし,理科の二単元で授業リフレクションを実施した。授業リフレクションの結果得られた記録やその後に行ったインタビューの結果を分析し,その異同を考察した。その結果,以下が明らかになった。若手教員と中堅教員は共に,生成aiによって教師と子どものズレを起点とした省察を促すことができた。8つの問いや8つの窓の提示は,ズレを認識するための支援となっている。生成aiは,8つの窓を導出するメンターとして一定の役割を果たしたといえる。一方で,中堅教員は,生成aiの肯定的な反応への違和感を抱いている。生成aiをメンターとして十分機能させるには,対象者の経験やニーズにといったものに起因する差に対応できることが望ましい。ズレを認識させた後に,振り返りシートへの記述でズレの要因を考察させた。若手教員の場合,事象の着眼点や指示の伝達が曖昧になったことなどをズレの要因として検討している。その要因をもとに改善案を検討し,円滑な授業進行や事象の着眼点を示すことを意識した授業改善を行った。中堅教員の場合,教師が見取った子どもの思考をズレの要因としている。その要因をもとに,協働による思考の練り上げや前時から連続した問題解決を意識した改善案を検討した。両教員は,本授業リフレクションを通じて,「行為の振り返り」から「本質的な諸相への気づき」や「選択肢の拡大」,「試行」の局面をたどることができたと考えられる。若手教員は,主に教師の行動に着目した授業改善を行った。一方で,中堅教員は,主に子どもの思考に着目した授業改善を行った。若手教員と中堅教員では,授業改善の検討の視点が異なる可能性がある。
Sekiguchi et al. (Mon,) studied this question.