本研究では,研究開発型スタートアップ企業の創業時および移転時の意思決定に注目しながらその帰結としての立地パターンを考察することを目的に,ceoを中心とした経営層へのインタビューを実施した.その結果,立地選好は成長段階に応じて変化し,初期のコスト効率の重視から,r&dへの適合性の追求,さらには場所のステータス性の獲得へと志向が移行することが明らかになった.スタートアップ企業にとって一等地への立地は企業の信用や将来性を示す象徴的価値として機能し,高度な技術・知識を有する人的資本の獲得を優位に進める手段となることが示唆された.一方,実験室・製造設備の利用可能性や建物の耐荷重・電力容量などの設備要件を満たすことと場所のステータス性を追求することは両立しがたく,研究開発型スタートアップ企業には物理的制約をクリアするための周辺地域への移転と,象徴的価値を求めた都心部への移転という,2つの異なる立地ダイナミクスが生じうることが示された.
Iwai et al. (Fri,) studied this question.