日本の小中学校の保健室には,怪我をしたり病気になったりした児童生徒に対して一次的な医療処置をおこなうという一義的な機能の他に,学校に通学している児童生徒,学校に通学することが困難になった児童生徒の居場所としての機能を果たしている.本稿は地方地域の小中学校4校の養護教諭におこなったインタビューの結果に基づき,保健室の持つ児童生徒の居場所としての機能,養護教諭に求められている児童生徒の心のケアにおける役割に光を当て,そのような役割を念頭に「学校の保健室」をどのように再設計しうるかという問題を提起することを目的としている.インタビューの結果,学校の保健室は学校に通学している児童生徒,学校に通学することが困難になった児童生徒両方を含めて,家が第1の居場所,学校が第2の居場所であるとすると家でも学校でもない第3の居場所としての役割を担っていると考えられることがわかった.そして養護教諭は親でもない,教諭でもない,話し手を評価せず話を安心して受け入れてくれる存在として児童生徒に慕われる実態が明らかになった.本稿では地方地域の中小規模校での調査に基づいて学校の保健室を捉え直しリデザインする可能性について考察し,今後検討すべき課題をまとめた.
Umemuro et al. (Sun,) studied this question.