本シンポジウム「表情を科学する」では、心理学・神経科学・発達科学・文化人類学など多面的なアプローチによりこれまで研究されてきた人間の表情を対象に、近年の理論的発展と実証データの蓄積を概観することを目的としている。顔による感情表現(表情)は単なる感情の「写し鏡」ではなく、社会的相互作用、文化的文脈、発達的変化を通じて柔軟かつ文脈依存的に機能する。近年、基本感情理論に埋め込まれている表情研究プログラム(fep)に対する批判が高まり、構成主義理論を含む複数の理論的立場、語用論的アプローチ、生態学的および文化比較的観点からの再解釈が展開している。本シンポジウムでは、表情がなにを意味するかについての論争、乳幼児期における表情生成・理解の発達、実際の相互行為場面での表情の役割、文化的多様性が表情の知覚と産出に与える影響等に焦点を当て、理論と実証の交差点を探る。参加者が表情の科学の新たな地平について共有することで、感情の理解だけでなく、実社会での表情データの活用にも資する知見を創出することを目指す。
Namba et al. (Wed,) studied this question.