本シンポジウムでは、心理臨床の実践における「マイクロアグレッション」という概念を紹介し、その理解と対応の重要性について議論する。マイクロアグレッションとは、無意識のうちにマイノリティの尊厳を傷つける言動を指し、臨床場面においても見過ごされがちである。しかし、こうした無自覚な加害は、クライエントとの臨床同盟を損ない、セラピーの中断や精神疾患の回復格差を生み出す要因となる。日本ではこの概念が十分に浸透しておらず、臨床家自身が気づき、取り組むべき課題である。本シンポジウムでは、臨床家がなぜマイクロアグレッションを理解し、自覚的であるべきかを論じるとともに、在日コリアンが直面するマイクロアグレッションと臨床教育上の課題、マルチレイシャルな人々に対する事例などを取り上げる。最後にこうした課題に対応するための人種・民族的アイデンティティ発達理論の視点や「境界線」教育の必要性について提言する。
Deguchi et al. (Wed,) studied this question.