本研究では,協働的な学習を支える要素として,メタ認知の範囲を他者に拡張した概念である共有されたメタ認知(Shared Metacognition)に着目した。Garrison and Akyol(2015a,2015b)は,協働的な学習におけるメタ認知の調査によって社会的に共有された概念に拡張し,自己調整(self-regulation)と共調整(co-regulation)の二つの因子をもつ「共有されたメタ認知(Shared Metacognition)」の存在を明らかにしている。これを小学校理科授業に援用し,協働的知識構築モデルにおける協働的知識構築と個人の理解のプロセスとその往還において,共有されたメタ認知の寄与を明らかにすることを目的とした。小学校第4学年の水が沸騰するときの温度変化の授業分析の結果,共有されたメタ認知には五つの役割が顕在化した。①焦点の調整が変容過程の起点となり,②妥当性の検証によって変容過程が進行し,③合意形成の媒介によって次の知識の形式のフェーズが構築される。このプロセスを繰り返すことによって④文化的人工物の承認が行われる。また,知識の形式フェーズによって構築された知識は,随時⑤個人の理解への内在化の役割によって協働的知識のサイクルから個人の理解のサイクルへと内在化していく。
GOTO et al. (Mon,) studied this question.