磁県 (磁州) は遅くとも五代以来、現代まで水稲作が継続されてきた華北でも数少ない地域の一つである。当該地域で水稲作が長期間継続できた要因を分析することで、華北において水稲作が長期的に継続される条件を明らかにすることができると思われる。そこで本稿では磁県の水稲作を対象に取り上げ、それが長期間継続されてきた要因を考察してみた。その結果として、①水稲作に必要な灌漑用水が十分確保されていたこと、②旱魃対策及び労働量抑制策として直播法が選択されたと思われること、③水稲作農家が収穫した稲米の一部を日常的に自家で食べており、自家消費用も兼ねて栽培されてきたこと、④水稲作農家が比較的裕福だったことから、稲米が高値で売却されていたと思われること、⑤塩類土壌の改良に効果があったことの5点を得ることができた。
Kazuyasu Hayashi (Mon,) studied this question.