近年,ictの進展やcovid-19の流行によって,テレワークやコワーキングのように,勤務先に通勤して働く従来の働き方とは異なる勤務形態が注目されている.勤務先の近くに住む重要性の低下は,価値観やライフスタイルにも変化をもたらし,就業者の居住地選択に影響を与え得る.本研究では,通勤日数の減少や活動時間の配分の変化を考慮した居住地効用モデルを構築し,働き方の変化やそれに伴うライフスタイルの変化が就業者の居住地選択に与える影響を考察した.本研究の主な成果は以下の通りである.(1)都市ごとの特徴量として,居住者の私事活動・移動時間を考慮した居住地効用モデルを構築し,都心への通勤日数や私事活動への時間配分の変化を加味して,働き方やライフスタイルを考慮した就業者の居住地効用を示した,(2)通勤日数の減少が,都心から離れた自治体への居住を促進することが示唆された,(3)サテライトオフィス勤務が増加すると,都心から離れた地域で,かつサテライトオフィスにアクセスしやすい自治体が居住地として選択されやすくなる可能性が示唆された,(4)都心から離れた自治体の一部で,都心への通勤日数が減って私事活動が多く行われる場合の効用が,都心に近い自治体で都心に従来通り通勤する場合の効用と同程度になる可能性が示唆された.一方,私事活動に伴う移動時間の地域特性により,自治体によって通勤時間の短縮効果に差がある可能性も示唆された.
Hamamatsu et al. (Fri,) studied this question.