流量を調節可能な実験河川を用いて人工的に渇水を再現し,魚類の渇水に対する応答および避難場所となる淵の条件について検討した.実験河川内の 12 か所の淵を対象に,平水時と渇水時で魚類の採捕調査を実施し,渇水による魚類群集の変化および渇水時の淵の水深が魚類に与える影響を評価した.渇水時の淵における魚類の個体数は春季と夏季に増加した.これは,岸際を利用していた小型魚および仔稚魚が淵に流入してきたことが要因と考えられる.種数は変化しなかったが,淵の魚類群集の構造は平水時と渇水時で変化していた.これは大型の魚類が渇水時に実験河川から流出したことに加えて,魚種による渇水に対する応答の違いが要因と考えられた.水深の大きな淵ほど個体数も種数も多かった.そのため,短期的な渇水であれば水深の大きな淵があることで多くの魚類が生存できることが示唆された.水深の影響は季節によって異なっており,夏季が最も顕著であった.夏季は水温が最も上昇する季節であることから,熱容量が大きく水温が高くなりにくい,水深の大きな淵が避難場として重要であったことが推察される.一方で,冬季は魚類の個体数および種数に対する水深の影響は小さかった.実験河川に生息する魚種の多くは水田地帯や氾濫原を生息場とする魚類であり,これらの魚種の多くは減水時にも生存可能な生活史特性を持っていたため,水深との関係性が弱かったと考えられる.
Matsuzawa et al. (Thu,) studied this question.