本研究は,COVID-19パンデミック初期にCCTV公式アカウントがWeibo上で配信した1分以内の短時間動画(n=443)を対象として,①登場アクターの分布,②映像・音響要素による感情喚起の知覚,③国際情勢の示唆の知覚,の三点に関する記述統計および探索的分析を行ったパイロット研究である.感情評定は母語話者3名が4件法で実施し,評価者間一致度としてFleissのkappa係数を算出した.結果,登場アクターは政府関連が最も高い比率を占めた.感情評定では,ネガティブな感情に比べ,感動・鼓舞・喜楽等のポジティブな感情が高いことが観察された.また,国際情勢に関する示唆については,他国の感染状況や国際関係に関する情報が一定程度知覚されており,評価者間で比較的安定した認識が示された.探索的に混合効果モデルを適用したところ,特定のBGMカテゴリーおよびアクター構成がポジティブな感情評定と関連する可能性が示唆された.以上より,危機初期の短時間動画による公的情報発信は,中立的な事実提示を基調としつつ,ポジティブな感情の喚起を組み合わせる表現構成をとりうることが示された.もっとも,本研究は評定者数の制約とサンプル選定に伴うバイアス可能性を有するため,所見の一般化や因果的解釈は控える必要がある.今後は評定者の拡充と再現的検証を通じた知見の精緻化が求められる.
XIAOXUE LIU (Thu,) studied this question.