本研究の目的は二つである.第一に,コロナ禍前後における悪臭の苦情件数の動向を,対照としての騒音・大気汚染と比較し,発生原因別・発生源別の寄与や季節性を用いて増減要因を明らかにすること,第二に,分析過程と自治体ヒアリングで顕在化した公害苦情調査の運用課題を整理し,改善を提案することである.公害等調整委員会の2017~2023年度データを用い,12か月移動平均・季節指数,寄与度,Kruskal-Wallis検定(Bonferroni)を適用し,5自治体へヒアリングした.その結果,2019-2020年度の増加は,悪臭・大気汚染では「焼却(野焼き)」と発生源「個人」の寄与が大きく(有意),騒音では「会社・事業所」と「個人」に差がなかった.また,窓開けや秋季の野焼きに起因する季節性も確認した.さらに,公害苦情調査の課題として,計上基準や所管の相違等により地域・年次比較に制約があることを示し,定義の統一と補足情報の明示等を提言した.
FUJIKURA et al. (Thu,) studied this question.