特定外来生物であるウシガエル成体のトラップに用いる誘引餌を検討するため,使用餌の種類による捕獲数比較実験を実施した.実験に用いたトラップは先行研究で本種の捕獲実績があるアナゴ篭とし,誘引餌は予備実験の結果を踏まえて,ザリガニ型ルアーと釣り用の練り餌とした.そして,本種が定着している池に 5 ヵ所の実験地点を設定し,ザリガニ型ルアーまたは練り餌をそれぞれ単独で入れたトラップと,誘引餌なしの計 3 種類のトラップを 1 セットずつ,各実験地点に同時に仕掛ける実験を計 23 回行った.トラップの設置時間は 1 晩とし,トラップの設置時と回収時の平均水温(以下,水温と記す)を算出した.また,トラップの回収後は,捕獲されたウシガエル成体の個体数と体サイズ(頭胴長)を記録した.そして,使用餌の違いが捕獲数に与えた影響を検討するため,使用餌の種類ごとに集計したウシガエル成体の捕獲数を目的変数,使用餌の種類と水温を説明変数に用いて一般化線形モデルを構築した.また,使用餌の種類による捕獲数の違いを明らかにするため,各使用餌の捕獲数を用いた群間比較を行った.加えて,使用餌の種類ごとに捕獲された個体の体サイズ構成の違いを検討するため,使用餌の種類ごとに頭胴長 86 mm を境目に 2 群に分類し,カイ二乗検定を行った.一般化線形モデルによる解析の結果,ウシガエルの捕獲数に対して,水温とザリガニ型ルアーに有意な正の効果が認められた.そして,各使用餌の捕獲数を用いた群間比較の結果,ザリガニ型ルアーと誘引餌なしでは有意差がみられたが,練り餌と誘引餌なしとの間およびザリガニ型ルアーと練り餌の間では有意差はなかった.また,カイ二乗検定の結果,使用餌の種類間で体サイズ構成に有意差が認められた.以上の結果から,ザリガニ型ルアーを誘引餌として用いるアナゴ篭を水温が高い時期に設置することが,ウシガエル成体の駆除に有効と考えられた.
Nakaichi et al. (Thu,) studied this question.