症例は68歳の男性.1カ月前にIgG4関連後腹膜線維症の診断でプレドニゾロン50mg/日の内服を開始した.1週間前からの腹痛が増悪し,消化管穿孔による汎発性腹膜炎の診断で緊急手術を施行した.審査腹腔鏡を行い,腹腔内全体に広がる膿性腹水と横行結腸に穿孔を認めた.腹腔鏡下結腸右半切除術を行い,人工肛門を造設した.切除標本で多発潰瘍を認め,1つの潰瘍が穿孔していた.免疫染色によりサイトメガロウイルス(cytomegalovirus;以下,CMV)腸炎と診断し,結腸穿孔への関与が疑われた.術後に抗ウイルス薬の投与を行い,経過は良好であった.CMV腸炎が結腸穿孔をきたす例は稀であり,穿孔との因果関係については慎重な判断が求められる一方で,免疫抑制状態の患者においてCMV腸炎は念頭に置くべき疾患である.また,全身状態が安定している患者では,大腸穿孔に対しても腹腔鏡下手術が選択肢となり得ると考えられた.
NAKAHARA et al. (Wed,) studied this question.