症例は33歳のダウン症候群の男性である.幼少期に十二指腸狭窄に対して膜様物切除術,先天性胆道拡張症に対し胆管切除・胆道再建術を施行している.成人になってから,胆管炎を繰り返し発症していた.腹痛と嘔吐を主訴に受診し,画像検査にて胆管空腸吻合部近傍から左肝内胆管に複数の結石を認め,胆管炎の原因と考えられた.ダブルバルーン内視鏡による治療を試みたが胆管空腸吻合部への到達が不能で,手術の方針となった.肝内結石は左肝内胆管と右肝内胆管の一部に認め,過去の胆道再建の吻合部を温存した左肝切除術を施行した.術中胆道鏡検査にて右肝内胆管に遺残結石とひも状の構造物を認め,それらを除去した.構造物は以前の手術時の遺残物で,肝内結石の原因と考えられた.30年以上前に行った胆道拡張症手術での遺残物が原因で肝内結石を生じたという報告は,われわれが検索する限り認めず,極めて稀な症例と考えられた.
Sakurai et al. (Wed,) studied this question.