要旨 【背景】 Time limited trial(TLT)とは,決められた期間に特定の治療を行い,結果に基づいて改善・悪化を判断し,治療の継続もしくは緩和ケアに目標を変更することを治療開始前に決めることを指す。Veno–venous extracorporeal membrane oxygenation(V–V ECMO)では,生命維持をECMOに依存する離脱困難な状況となる場合があり,事前にTLTを提示することで円滑に緩和ケア移行できる可能性がある。 【症例】 70歳の男性で肺がんに対し,前医で肺葉切除術を施行するも,術後エアリークがあり,複数回の手術を要した。初回手術から3週間後に抜管するも,呼吸状態の増悪を認め,3日後に再挿管するも,さらに増悪し,当院に相談となった。誤嚥性肺炎が主病態であり,可逆性があると判断した。患者背景から,長期のECMO管理は患者価値観に乖離するため,TLTでECMOを行う方針とした。胸部X線写真が改善した8日目,除水・腹臥位療法後の18日目,鎮静調整後の21日目にECMO離脱トライアルを行うも,いずれも離脱困難であった。上記から,治療中止の方針に移行し,24日目に緩和目的にECMOを離脱し,同日死亡確認となった。 【結語】 TLTを事前に設定することで,ECMO離脱困難な場合に,円滑に緩和ケアに方針を移行できる可能性が示唆された。
敦基 et al. (Mon,) studied this question.