接着剤を用いた接合構造物の破壊や寿命は,大部分が接着接合部でのき裂の発生や進展に支配されている。本解説では,種類の異なる市販および開発接着剤と鋼被着体を用いた接着継手の疲労き裂進展特性を示す。き裂を考慮した接着継手として,モードI 荷重下となる二重片持ち梁試験片を用いた。試験は疲労き裂進展挙動の下限界値の取得に有効な荷重比( =最小/ 最大荷重) を保持した変位制御にて実施した。荷重比は0.1 および0.5 を用い,接着剤層厚さは0.3 および3.0 mm とした。等価エネルギ解放率は荷重比の異なる疲労き裂進展挙動,疲労き裂進展挙動に及ぼす接着剤の違いや接着剤層厚さの影響を評価できる有効な指標であることを示した。各接着剤の接着継手としての疲労き裂進展特性を明らかにした。接着剤層厚さが薄いほど下限界エネルギ解放率は小さくなり,各接着剤では静的破壊じん性値が大きいほど下限界エネルギ解放率は大きくなる傾向を示した。また,パリス則の傾きは接着剤層厚さの影響は小さく各接着剤で同じ値を示し,下限界エネルギ解放率比が大きいほどパリス則の傾きは小さくなる傾向を示した。本解説の実験方法,実験結果および考察を通じて,接着継手の疲労き裂進展特性の評価手法および注意しなければならない点について述べた。
Kimiyoshi Naito (Mon,) studied this question.
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