急性声帯炎後に長期の発声制限を行った結果,炎症が治癒した後も発声困難が持続し,機能性発声障害を呈する症例が散見される.本研究では,声帯炎後に機能性発声障害を生じた症例の臨床像と音声治療の効果を検討した.対象は2021年1月から2023年12月までに当院を受診した症例で,声帯炎と診断され発声制限を行い,炎症所見が消失したにもかかわらず発声困難を訴えた機能性発声障害18例である.医師による所見供覧と発声許可に続き,半閉鎖声道エクササイズ(Semi-occluded vocal tract exercise: SOVTE)を用いた直接訓練を実施した.Voice Handicap Index-10(VHI-10),最長発声持続時間,GRBASスケール,音響分析により治療効果を評価し,9例で治療前後の統計学的比較を行った.VHI-10およびJitter,GRBASスケールのG,B,A要素において統計学的に有意な改善を認めた.急性声帯炎後の発声制限は,長期化すると機能性発声障害の発症要因となる可能性があり,適切な時期での発声再開指導の重要性が示唆された.
杉本美里 et al. (Thu,) studied this question.