最小ベイズリスク (Minimum Bayes Risk; MBR) 復号は,出力候補の期待効用を最大化することで高品質な翻訳を生成する手法であるが,候補集合内の全組み合わせに対してスコア(効用)を算出する必要があるため,候補数に対して二乗の計算時間を要する.この計算コストを削減するため,確率的最小ベイズリスク (Probabilistic MBR; PMBR) 復号では,候補文の一部ペアに対してのみ評価指標によるスコアを計算し,残りの欠損スコアは行列補完アルゴリズムによって補完する.しかし,PMBR復号にはこのように評価指標の呼び出し回数を減らすと,翻訳品質が低下してしまう問題がある.そこで本研究では,知識蒸留モデルを用いてスコア行列の補完を誘導する合意制約付きPMBR (Agreement-constrained PMBR; AC-PMBR) 復号を提案し,品質と計算コストのトレードオフを改善する.提案手法であるAC-PMBR復号は,行列補完における近似誤差を最大3倍改善し,WMT’23英↔独翻訳タスクにおいて,PMBR復号と同程度の計算コストでより高い翻訳品質を達成した.
Natsumi et al. (Thu,) studied this question.