大気中のメタンは地表オゾンの生成に寄与し,農業や健康に影響を与えることで知られるが,将来の気候緩和策によるメタン濃度変化が大気汚染へ与える影響は十分に評価されていない.本研究では,大気汚染物質の排出制約の有無による将来シナリオに基づき,メタン濃度変化が地表オゾン濃度,作物収量,健康被害に与える影響を推計した.その結果,メタン濃度の変化を考慮することにより排出制約を行わないシナリオで地表オゾン濃度が増加し,2100年までに相対作物収量損失が約4ポイント増加し,10万人あたりの死亡者数は12人増加した.一方,排出制約を行うシナリオでは地表オゾン濃度が減少し,相対作物収量損失は約1ポイント減少し,死亡者数は4人減少した.以上より排出制約の有無によらずメタン濃度の変化を考慮する重要性が示唆された.
WATANABE et al. (Wed,) studied this question.