本研究では令和元年東日本台風を対象に,利根川上流域の既存ダムによる洪水調節機能の向上可能性をケーススタディを通じて評価した.当時運用されていなかった八ッ場ダムを除き,他6つのダムによる代替運用を仮定し,流入量を事前に把握できるとした放流量決定モデルを構築して数値実験を行った.その結果,6つのダムの最適運用により八ッ場ダムと同等の洪水調節流量が確保でき,八斗島地点の水位も実測とほぼ一致した.さらに感度分析により,下久保ダムは54時間前,他の5ダムは24時間前の流入予測があれば最適運用が有効であることが示された.以上より,本モデルは下流域の洪水リスク低減に寄与しうること,および必要な予測リードタイムを明示できることが確認された.
KOBATA et al. (Wed,) studied this question.