ヒトの消化管には約38兆個もの細菌が生息し,一定のバランスを保ちながら腸内細菌叢を形成し,ヒトと共生している.したがって腸内細菌叢の質的・量的な異常(dysbiosis)は様々な疾患の罹患感受性を高める可能性がある.アレルギー疾患患者においても酪酸産生菌減少に特徴づけられるdysbiosisが報告されている.腸内細菌叢を標的とした介入として,プロバイオティクスやプレバイオティクスが広く研究されてきたが,現状ではアトピー性皮膚炎の予防・治療を除き,その有効性は限定的である.しかし,これらの研究を検討すると,介入の成否には腸内細菌叢が確立する生後早期の「クリティカルウィンドウ」と呼ばれる時期と「酪酸」が介入標的として重要である可能性が示唆された.新たな介入として,アレルギー疾患に対する糞便移植の有用性を示唆する初期報告があるが,小児では安全性の観点から臨床応用は困難である.今後は酪酸産生を促す次世代プレバイオティクスや生菌カクテル製剤など,安全かつ効果的な新規モダリティの開発と,個々のdysbiosis特性に基づいた個別化介入戦略の確立が期待される.
Akagawa et al. (Fri,) studied this question.
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