症例は30歳女性.分娩時会陰裂傷の修復後に直腸腟瘻を発症した.瘻孔は約1cm大で周囲組織の瘢痕や線維化を伴っていることから,単純閉鎖のみでは再発のリスクが高いと判断した.経腟的瘻孔切除とadvancement flap(AF)による修復術に併せて腹腔鏡下回腸人工肛門造設術を施行した.術後経過は良好で術後9日目に自宅退院となった.腟および直腸の縫合部の治癒は良好で,人工肛門閉鎖術後1年半再発なく経過している.本症例のように炎症を背景とした直腸腟瘻は,時に再発を繰り返し難治性となる.腟後壁のAFを用いた修復術は,腟後壁の十分な授動により縫合部の緊張を緩和させ,また,直腸と腟それぞれの縫合線をずらすことで縫合部への圧軽減につながる.本術式は創傷治癒遅延リスクや生活の質への配慮が必要な産科関連直腸腟瘻に対して,安全かつ早期回復に有用な選択肢となり得る.
Yoshimura et al. (Thu,) studied this question.