全国新酒鑑評会の出品酒におけるグルコース濃度と予審の「総合評価」の関係を調べるため,3年分の出品吟醸酒2567点の成分値と官能評価結果を用いて統計解析を行った。その結果,出品酒のグルコース濃度と官能評価時における酒間のグルコース濃度の差は,「総合評価」への有意な影響が認められなかった。必須評価項目の「華やか」及び「あと味・軽快さ」が良好な出品酒は,「総合評価」も良好であった。一方で,任意指摘項目の欠点臭である「硫化物様」や「カビ臭」等の指摘が,「総合評価」を大きく悪化させていた。本研究結果は,全国新酒鑑評会の予審において,審査委員が,香味の調和と特徴を評価対象とする審査基準に則り,特定の成分に左右されず各々の出品酒に真摯に向き合って独立した官能評価を与えていたことを支持するものである。同時に,清酒醸造の基本である欠点臭を生じさせない製造の品質管理と香味の調和をとる製造技術が,良好な結果に必要不可欠であることが示された。
FUJITA et al. (Sun,) studied this question.