我々が持つ豊かなこころを捉え、それを社会や科学技術へと還元するためには、多様なこころの状態を理解し、概念として扱うための体系的な枠組みが必要である。しかし、これまでの基礎心理学や工学などにおける情動推定の研究は、ある時点の状態を一意に定めようとするあまり、こころを過度に単純化してきた。この方略によって情動研究は大きく発展したものの、現在の理論では、我々が日常的に感じている多様なこころの状態のすべてを捉えることはできていない。そのため、より包括的な枠組みを構築するために、パラダイムシフトが求められている。本シンポジウムでは、生体計測、対話分析、多国間比較といった多様な手法を用いてこころの機微を理解しようとする研究者に話題提供をいただき、現在の理論で捉えきれないこころの複雑性を明らかにする。こうした知見を踏まえ、「心情認知学 (Psychosentience)」と呼ぶべき新たな学際的アプローチを模索し、こころの機微を理解する枠組みをいかに構築すべきかについて、指定討論者およびフロアとの議論を通じて検討を深める。
UEDA et al. (Wed,) studied this question.