社会的ジレンマ状況で協力を促進するための方策として、罰や報酬といった制度の導入が議論されることがある。しかし、非協力者への罰は、長期的にはむしろ相互協力を妨げる可能性を内包している。本研究では、一旦導入した制度を廃止した群の協力が、制度の存在を経験していない統制群よりも下がる現象を、罰(報酬)制度による協力阻害効果と定義し、それが生じるかどうかについて5つの事前登録研究を通じて包括的に検討した。また、得られたデータに対して統計モデリングによる再分析を行った。この再分析の目的は、制度が存在する間および廃止後の意思決定について、モデルを構築することを通じて洞察を得ることであった。今回の研究が現実社会における社会的ジレンマ状況に適用できた場合、政策立案や企業、教育機関などの組織内のルール設計において、制度は存在する間のみ一時的な効果を持つ可能性を考慮すべきであることが示唆される。
Mizuno et al. (Wed,) studied this question.