アトピー性皮膚炎は乳幼児期に発症し増悪・寛解を繰り返す慢性炎症性疾患であり,一部は思春期まで遷延する.遷延化の予測因子として,発症時の重症度,家族歴,アレルギー疾患合併,フィラグリン遺伝子変異などが報告されている.長期治療における課題は,ステロイド外用薬への忌避感とアドヒアランスの維持である.プロアクティブ療法と非ステロイド性抗炎症外用薬の登場により安全性を保ちながら長期治療が可能となった.思春期においては治療主体者が保護者から患者本人へ移行する時期であり,エリクソンの心理社会的発達理論に基づいた段階的な移行は有用である.移行期医療では,中等症以上の難治例に対して生物学的製剤やJAK阻害薬などの全身療法も選択肢となる.Shared decision makingを活用し,患者の価値観を尊重した治療選択が治療満足度の向上につながる.思春期アトピー性皮膚炎患者を治療の目標へと導くには,医療者が適切な知識をもち患者とともに歩むパートナーとなることが求められる.
Yutaka Takemura (Fri,) studied this question.