症例:89歳,女性.X年1月に左急速破壊型股関節症に対し人工股関節置換術(THA)が行われた.X年10月に転倒し,左人工股関節脱臼が生じ,他院で腰椎麻酔下に徒手整復された.退院後2日目に再脱臼し,全身麻酔下で透視下に非観血的整復を行ったが,整復後の単純X線像で完全な求心位ではなく,CTおよびMRIで評価した結果,ポリエチレンベアリングが脱転していた.Intra-prosthetic dislocation(IPD)と診断し,ナビゲーション下にカップの設置角度を変更する左再置換術を施行した.ポリエチレンベアリングは寛骨臼後壁の後方に存在していた.再置換術後,現在まで脱臼なく経過している.Dual mobility cupの組み立て時には,ポリエチレンベアリングとボールヘッドの嵌合には相当の力を要し,容易には外れないことが実感される.しかし,脱臼整復時には,梃子の原理によって比較的軽微な力でもIPDが生じる可能性があるため,Dual mobility cupの脱臼時には,本合併症を念頭において慎重に整復操作を行う必要がある.
福井 et al. (Wed,) studied this question.