80 代,女性。不衛生な住居に居住していた。足爪の肥厚があるため,当科を受診した。両母趾などの複数趾に爪甲肥厚,弯曲,過伸長があり,鏡検で多数のダニ虫体,虫卵を認めた。鏡検で爪白癬も陽性であり,足爪白癬にダニが偶発寄生したと考えた。爪切りによる爪甲除去,清掃と爪白癬に対する外用療法を行いダニは消失した。鏡検での形態学的特徴からコナヒョウヒダニ(Dermatophagoides farinae)を同定した。さらに,爪検体のミトコンドリア 16S rRNA 遺伝子解析を実施し,ケナガコナダニ(Tyrophagus putrescentiae)の存在も証明した。以上より,爪白癬の病変内に 2 種類のダニが寄生したと診断した。長年放置された爪白癬の病変は,チリダニ類やコナダニ類が生育しやすい環境となるが,これらのダニ類に感染性はなく,爪切りや保清,および爪白癬治療がダニの駆除に有効である。爪へのダニ寄生例では感染性を持つ爪疥癬の鑑別が重要であり,ダニ種を同定することは大切である。
Midorikawa et al. (Sun,) studied this question.