2021~2024年にかけて,国内外のBrassica rapa(ハクサイ類)190品種・遺伝資源を用いて,盛岡市での早春まき作型における晩抽性と各BrFLC遺伝子座の遺伝子型を調査した.試験年次によって非抽苔の品種・系統数は変動するものの,出蕾日・抽苔日の年次間相関はいずれの組み合わせでも高かった.‘つけな中間母本農2号’が有するBrFLC2,BrFLC3の晩抽性対立遺伝子を有する品種・系統は,本中間母本の素材である大阪白菜遺伝資源系統ならびに中間母本を利用して育成された品種・系統に限られていた.これに対して,BrFLC1の一塩基多型を識別するDNAマーカー分析では,早抽型,晩抽型とこれらのヘテロ型が検出された.品目によって遺伝子型の分布に違いが見られ,ほとんどのカブ品種・系統では,晩抽型のBrFLC1遺伝子型を示した.2022年と2023年の試験では,‘つけな中間母本農2号’が有する晩抽性対立遺伝子の効果を除外した場合,BrFLC1の晩抽性の遺伝子型を示す品種・系統は,早抽性ホモ型およびヘテロ型の遺伝子型を示す品種・系統より有意に晩抽性を示した.この結果は,B. rapa全体だけでなく,ハクサイ品種・系統のみのデータにおいても同様であった.国内のハクサイ品種においては,晩抽性を付与するためにはBrFLC1の晩抽性対立遺伝子を活用する一方で,それ以外の作型向けには,BrFLC1の対立遺伝子より一般形質やF1組み合わせ能力等を重視していることが推察された.
Hiura et al. (Thu,) studied this question.