握力測定器を用いずに,質問項目のみから握力を推定する方法を開発した.最初に握力計を用いて実際の握力を測定し,その後,手指の力に関する質問紙調査を実施した.調査では,まず4種類のペットボトル開栓方法を提示し,日常生活で最もよく用いる方法と,それぞれの開栓動作に対する難易度評価を求めた.さらに,約1 kg,2 kg,5 kgの物の持ち上げ,缶ジュースのプルタブの引き上げの難易度についても評価を求めた.質問項目を説明変数,握力の実測値を目的変数として重回帰分析および機械学習による分析を行い,握力の推定モデルを構築した.汎化性能評価の結果,握力の推定値は実測値と高い相関(最大r=.831)を示したが,一部の握力範囲では乖離も確認された.この簡易推定モデルは,握力計の使用が困難な状況において握力を推定する有効な手法となる可能性が示唆された.今後の課題は,質問項目と推定法の改良および高齢層のデータの補充により推定精度の向上を図ることである.
Taniguchi et al. (2026) studied this question.