本研究では, 口腔内の油脂感を低減させる「お口直し」として知られる茶の乳化作用と, 油脂含量の多い食品に含まれるレシチンの乳化作用に及ぼす茶の影響を調査した. 茶試料は緑茶(Green tea: GT)および紅茶(Black tea: BT)のティーバッグからの熱湯浸出液と, それらを酵素的に脱ガロイル化処理した茶試料(GTt, BTt)を使用した. いずれの茶試料も,大豆油に対する界面張力は水に比べて低く,油と混合後の乳化油脂量は水より多かったことから乳化作用を有することが確認された. 一方で,レシチン共存下で油と混合・撹拌したところ, GTとGTtの乳化油脂量は水に比べて有意に増加し,レシチンの乳化作用を促進することが明らかとなった.顕微鏡による観察で, GT系試料は微細な油滴を多く含んでいたのに対し,BT系試料では油滴の粗大化と褐色の凝集物が確認され,乳化状態が不安定であることが示唆された.ポリフェノールを除去したGTtとGTtのペクチン画分, カテキン類, 没食子酸, カフェインの標準品水溶液は,レシチンによる乳化に対して促進作用を示さなかった. これらの結果から,茶自体の乳化作用に加えて,緑茶ではレシチンによる乳化を促進する主要成分以外のポリフェノール化合物が口腔内油脂感の低減に寄与する可能性が示唆された.
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Kawahara et al. (2026) studied this question.
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