症例は54歳,女性.直腸S状部癌に対して腹腔鏡下高位前方切除術(D3郭清,DST吻合)を施行した.病理結果はtub2>tub1>por,Ly0,V1a,pPM0(80mm),pDM0(20mm),pT3N0M0,pStageIIa,であった.術後1年の採血にて腫瘍マーカーの上昇を認め,大腸内視鏡検査で吻合部口側に15mm大の粘膜下腫瘍様隆起病変を認めた.組織像はtub1,porであり,粘膜面には非腫瘍性の陰窩が認められ,粘膜下層に腫瘍が分布していたことから壁内転移が疑われた.遠隔転移は認めず,腹腔鏡下低位前方切除術を施行した.病理診断ではいずれの腫瘍も粘膜下主体で存在し,組織像はいずれもtub2>tub1>por2であり壁内転移と診断した.本邦での壁内転移の報告は同時性が多く,異時性の壁内転移の報告は6例で,このうち口側への異時性転移は2例のみと極めて稀であり報告する.
Yoshida et al. (Thu,) studied this question.