直腸脱に対する腹腔鏡下直腸前方固定術において,腹膜閉鎖に用いた有棘縫合糸が原因となった術後腸閉塞を3例経験した.1例ごとに原因の考察と対策を報告する.症例1は有棘縫合糸の脱落防止のために作成した2cmの余剰断端が原因で腸閉塞をきたした.以降,縫合糸断端は1針backward stitchを追加し組織と同一平面上で切離する方針とした.症例2は腹膜閉鎖後1針backward stitchした糸が跳ね返り,腹腔内に露出し腸閉塞をきたした.以降,腹膜閉鎖後2針extra stitchする方針とした.症例3は腹膜閉鎖後2針extra stitchを施行したが脱落し,腹腔内に断端が5cm露出し腸閉塞をきたした.以降,有棘縫合糸の断端切離部を埋没縫合する方針とし,2年以上経過しているが,腸閉塞は経験していない.有棘縫合糸による腸閉塞発生機序を理解し,腹腔内への糸の露出をなくす工夫が必要である.
Suzuki et al. (Thu,) studied this question.