石油化学工業は多様な生活必需品の原料を提供することで人々の生活にさまざまな必需品や便利さを提供する産業であるが,同時に温室効果ガス排出削減が難しい Hard−to−abate 産業でもある。今後も持続可能な形で石油化学製品を提供すべく,業界全体として脱炭素社会に向けてバイオ原料,CCUS,リサイクル等の技術要素を組み合わせてグリーンケミカル産業への変革を目指している。そういった変革において,トランジションのために必須となるのがマスバランス方式である。本稿では,石油化学工業の規模と構造に起因した特有の課題という視点から,経済合理性をもった形でグリーンケミカルを迅速に普及させるためにマスバランス方式が不可欠であることを述べたい。合わせて,マスバランス方式の透明性の高い利用に向けて業界全体で実施している取り組みや今後の課題について紹介する。
Shiho Takashina (Fri,) studied this question.