本研究では,瀬戸内地域の土壌劣化している流域における酸性雨の影響を明らかにするため,試験流域において特に金属イオンの変動に注目し,河川流量の観測とともに降水,土壌水及び河川水の水質変動を調査した。その結果以下のことが明らかになった。1)土壌中の交換性陽イオン量は極めて少なかった。さらに,酸性雨が降っていることもあり,土壌中の塩基は流出している傾向を示した。2)降水に含まれる酸は表層土壌でかなり緩衝されるため,pHは大きく上昇した。ただし,Al濃度の上昇も見られることから,土壌は酸性化していることが示された。3)河川水の金属イオンは,平水時にはほとんどが主要塩基からなり,特に花崗岩の主成分を成すNa+濃度が高かった。洪水流出時には,流量の増大とともにAl濃度の上昇がみられた。4)上流域と下流域で比較すると下流域でややAl濃度が低い傾向を示し,pHも高い傾向を示した。この結果は,下流に行くほど酸が緩衝されることを示唆する。また,洪水流出時の河川水中におけるAl濃度の上昇は,Al濃度の高い表層土壌を側方流として流出していることを示し,一方で,減水期における主要塩基濃度の上昇は,より主要塩基濃度の高い深層を経由した地下水の流出を示唆する。
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Onodera et al. (2002) studied this question.