大豆タンパク質の分子形態に及ぼす加熱の影響を調べ,以下の結果を得た.(1) 超遠心解析パターンより, 80℃以下の加熱では7s及び11s成分は維持されたが, 100℃加熱では両成分は減少, 140℃加熱で殆ど消失し高分子化した.(2) Dscパターンより,加熱温度上昇に伴って7s及び11s成分の吸熱ピークが減少, 100℃以上の加熱で消失し,超遠心解析結果と一致しなかった.(3) 尿素並びにメルカプトエタノールによるタンパク質可溶化は100℃加熱で最大であった.(4) 蛍光強度の変化より,タンパク質分子の疎水性は加熱温度上昇に伴って増加, 100℃加熱で最大となった.(5) Sh含量は加熱温度上昇に伴って減少した.(6) アミログラムより, 100℃以上の加熱では膨潤による粘性ピークが認められた.特に, 100℃加熱で高い膨潤性を示した.一方,未加熱及び80℃加熱では粘性ピークは認められなかった.(7) 固有粘度は100℃加熱までは増大し, 140℃加熱で若干低下した.以上より,大豆タンパク質分子は100℃加熱において分子が最も解膠化し,かつ分子間での相互作用が起こり易い状態にあることが示唆された.一方,前報1)において冷蔵ゲル化が100℃以上の加熱分離大豆タンパク質で発現し,特に, 100℃加熱で最大であることを報告した.これらの知見から,冷蔵ゲル化発現のためにはタンパク質分子が解膠し,分子間相互作用が起こり易い状態にあることが必要であると考えられた.
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Takahiko Soeda (1994) studied this question.