エポキシ樹脂硬化物では-70~-40℃領域にβ緩和と呼ばれる緩和挙動が観察される。この緩和は在来はビスフェノール骨格の運動によるともいわれ,ヒドロキシエーテル鎖の運動によるともいわれてきた。本報ではビスフェノール型,α,ω-ジオール型およびグリコール型エポキシ樹脂の3種を,構造を異にする2種の第一級アミンおよび2種の第三級アミンによって硬化し,構造上明らかにヒドロキシエーテル鎖の部分を生ずる系と,これを生じない系の緩和挙動を比較した。その結果,ヒドロキシエーテル鎖のような可動構造部分を含む硬化系のβ挙動は,それを含まない硬化系のβ緩和たとえば局所モード緩和などにこの可動構造部分の運動の影響が加わった複合緩和挙動と考えるべきことが明らかにされた。さらにヒドロキシエーテル構造を形成する硬化系と,これを形成しない硬化系の損失正接曲線の差から,ヒドロキシエーテル鎖のみの運動と考えられる新たな緩和ピークが推定された。この緩和ピークの高さとその位置はヒドロキシエーテル部分の濃度に依存することが明らかにされた。
No takes yet. Share an insight, caveat, or question.
OCHI et al. (1979) studied this question.